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SUS317J1|オーステナイト系ステンレス鋼

ステンレス鋼/JIS G 4303・G 4304・G 4305(2021)

✔ 本ページの規格番号・規格値は、日本産業標準調査会(JISC)の規格票閲覧サービスで JIS G 4303:2021・JIS G 4305:2021 の原典を確認して記載しています(確認日:2026年8月5日)。

SUS317J1 の材質は、JIS G 4303:2021・JIS G 4305:2021 で規定されたオーステナイト系ステンレス鋼です。以下の各表は、このJIS G 4303:2021・JIS G 4305:2021の原典を確認して記載しています。

SUS317J1 とは

SUS317J1 は、オーステナイト系ステンレス鋼に分類されるステンレス鋼です。

SUS317J1 の収載状況

棒(JIS G 4303:2021)○ 収載あり
熱延板・帯(JIS G 4304:2021)○ 収載あり
冷延板・帯(JIS G 4305:2021)○ 収載あり

出典:JIS G 4303:2021 表1/JIS G 4304:2021 表1/JIS G 4305:2021 表1

化学成分(規格値)

CSiMnPSNiCrMoCuN
0.040以下1.00以下2.50以下0.045以下0.030以下15.00〜17.0016.00〜19.004.00〜6.00

出典:JIS G 4305:2021 表3(冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯)/確認日 2026年8月5日。溶鋼分析値、単位は%。「—」は規定がないことを示します。

機械的性質|冷延板・帯(JIS G 4305)

耐力 Rp0.2
N/mm²
引張強さ Rm
N/mm²
伸び A
%
HBWHRBW/HRBSHV
175以上480以上40以上187以下90以下200以下

出典:JIS G 4305:2021 表8/確認日 2026年8月5日。1 N/mm²=1 MPa。

棒(JIS G 4303:2021 表3)の化学成分は、上表(冷延板)と同一です。同じ SUS317J1 であれば、棒で買っても冷延板で買っても成分の規格値は変わりません。

出典:JIS G 4303:2021 表3/確認日 2026年8月5日

機械的性質|棒(JIS G 4303)

固溶化熱処理を行った棒の機械的性質です(6.2)。供試材は JIS G 0404 の 7.6 の A類による。ただし、耐力は、注文者の指定がある場合に適用する。

耐力
N/mm²
引張強さ
N/mm²
伸び
%
絞り
%
HBWHRBW/HRBSHV
175以上480以上40以上45以上187以下90以下200以下

適用寸法(径、対辺距離又は厚さ):180 mm以下

注a) 絞りは、平鋼には適用しない。ただし、注文者の指定がある場合、絞りの規定値は、受渡当事者間の協定による。

注b) 硬さは、いずれかの硬さによる。いずれの硬さを適用するかは、特に指定のない場合、製造業者の選択による。

注c) HRBW 又は HRBS の測定は、いずれによってもよい。ただし、疑義が生じた場合の判断は、HRBW による。測定値の報告には、採用した測定方法(HRBW 又は HRBS)を明記する。

出典:JIS G 4303:2021 表8/確認日 2026年8月5日。1 N/mm²=1 MPa。

棒には「絞り」の規定があります。板・帯の規格(G4304・G4305)にはない項目で、断面がどれだけ縮むかを示す延性の指標です。ただし注a) に「絞りは、平鋼には適用しない。ただし、注文者の指定がある場合、絞りの規定値は、受渡当事者間の協定による」とあります。丸鋼・角鋼・六角鋼には適用され、平鋼には適用されません。

適用寸法にも上限があります。オーステナイト系は径180 mm以下、それ以外の分類は75 mm以下。これを超える場合は「機械的性質の規定の要否、その規定値及び供試材の種類は、受渡当事者間の協定による」(6.1 a))となります。太物では規格値が自動的には効きません。

出典:JIS G 4303:2021 6.1 a)・表8〜表13 注a)/確認日 2026年8月5日

冷延板・帯を注文するときの注意点

耐力は、注文者の指定がある場合に適用されます。JIS G 4305:2021 の 6.2〜6.6 の各項に「ただし、耐力は、注文者の指定がある場合に適用する」と明記されています。冷延ステンレスの耐力は、黙っていれば保証される値ではありません。

厚さ0.30 mm未満は引張試験を省略できます。6.1 a) に「ただし、厚さ0.30 mm未満の板及び帯については、引張試験を省略してもよい」とあり、表の欄外にも「耐力、引張強さ及び伸びについては、厚さ0.30 mm以上に適用する」と書かれています。薄板の強度が必要なら、受渡当事者間で取り決めが要ります。

硬さは HBW・HRBW(HRBS)・HV のどれか1つで判定します。注a)「硬さは、いずれかの硬さによる。いずれの硬さを適用するかは、特に指定のない場合、製造業者の選択による」。HRBWとHRBSはどちらでもよいが、疑義が生じた場合はHRBWによる、とされています。注記2で「HRBW及びHRBSは、板厚の薄い場合に適用できないことがある」とも書かれています。

板と帯は記号の末尾で区別します。板であることを示す必要があれば末尾に -CP(例:SUS304-CP)、帯であれば -CS(例:SUS304-CS)を付記します。熱延板(G4304)では -HP/-HS です。

製造方法。箇条4 a)「板及び帯は、冷間圧延後、熱処理を行い、酸洗又はこれに準じる処理を行う」。光輝熱処理を行った場合は酸洗などの処理を省略してもよいとされています。

出典:JIS G 4305:2021 箇条4・6.1・6.2〜6.6・表1注a)b)・表8注a)b)/確認日 2026年8月5日

このページで未掲載の項目:熱延板の機械的性質。JIS原典で確認できた値だけを掲載する方針のため、確認が済んでいない項目は空欄にせず、こうして明示しています。値が必要な場合は、メーカーのミルシートまたはJIS規格票をご確認ください。お問い合わせいただければ、当社でお調べします。

この規格に共通する事項(この鋼種はどの規格で買えるか・熱処理の状態を表す記号(表2)・冷延板・帯を注文するときの注意点)は、SUS_A の分類ページにまとめています。

SUS317J1 の磁性(参考)

磁性は JIS の規格値ではありません。本ページに掲載した規格値(化学成分・機械的性質)とは異なり、以下は金属組織に由来する一般的な性質の説明です。

SUS317J1 は、JIS でオーステナイト系ステンレス鋼に区分されています。オーステナイト系は面心立方(fcc)の組織をもち、固溶化熱処理をした状態では磁石にほとんど付きません。

ただし、曲げ・絞り・切削などの冷間加工を受けた部分では加工誘起マルテンサイトが生じ、磁性を帯びることがあります。磁石に付いたことだけを理由に「オーステナイト系ステンレスではない」と判断することはできません。

種類の区分は JIS 原典(表1)で確認した事実です。磁性についての記述は JIS の規格値ではなく、参考情報です。

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当社の対応

当社が自社設備で加工しているのは SS400(一般構造用圧延鋼材)の厚板ガス切断・溶断です。SUS317J1 については、協力会社への手配を含めてお見積りを承ります。形状(棒・熱延板・冷延板)と寸法・数量をお知らせください。形状によって適用規格が変わります。

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