SS400|一般構造用圧延鋼材
一般構造用鋼/JIS G 3101:2024
原典確認済み 規格値は、日本産業標準調査会(JISC)の規格票閲覧サービスで原典を確認して記載しています(確認日:2026年7月30日)。
SS400 とは
SS400 は JIS G 3101:2024(一般構造用圧延鋼材)に規定された4種類のうちの1つです。記号の数字 400 が引張強さの下限(N/mm²)を表します。
当社が自社設備で日常的に切断しているのが、このSS400です。一般構造用圧延鋼材のなかでは流通量が多く、建築・機械・架台など用途を選ばず使われます。
| 適用する形状 | 鋼板・鋼帯・形鋼・棒鋼 |
|---|---|
| 適用寸法 | 制限なし(平鋼のみ厚さ100 mm以下) |
出典:JIS G 3101:2024 表1/確認日 2026年7月30日
化学成分(規格値)
| C | Si | Mn | P | S |
|---|---|---|---|---|
| — | — | — | 0.050以下 | 0.050以下 |
出典:JIS G 3101:2024 表2/確認日 2026年7月30日。単位は%。「—」は規定がないことを示します。
機械的性質(規格値)
降伏点又は耐力(厚さ区分別)
| 厚さ | 降伏点又は耐力 N/mm² |
|---|---|
| 16 mm以下 | 245以上 |
| 16 mm超え40 mm以下 | 235以上 |
| 40 mm超え100 mm以下 | 215以上 |
| 100 mm超え | 205以上 |
引張強さ
| 引張強さ | 400〜510 N/mm² |
|---|
伸び(試験片別)
| 試験片 | 伸び % |
|---|---|
| 5号(厚さ5 mm以下) | 21以上 |
| 1A号(5 mm超え16 mm以下) | 17以上 |
| 1A号(16 mm超え40 mm以下) | 21以上 |
| 1A号(40 mm超え50 mm以下) | 21以上 |
| 4号(40 mm超え50 mm以下) | 23以上 |
| 4号(50 mm超え) | 23以上 |
曲げ性
| 曲げ角度 | 180° |
|---|---|
| 内側半径 | 厚さの1.5倍 |
| 試験片 | 1号 |
出典:JIS G 3101:2024 表3/確認日 2026年7月30日。1 N/mm²=1 MPa。
化学成分は りん と 硫黄 だけ
JIS G 3101:2024 が規定している化学成分は、りん(P)と硫黄(S)の2元素だけです。炭素(C)・けい素(Si)・マンガン(Mn)の規定はありません。
表2の注a) には「必要に応じて『−』と記載している元素及びこの表に記載していない合金元素を添加してもよい」とあります。C・Si・Mnについて、JIS G 3101:2024では数値範囲を規定していません。一方、P・S の上限値、機械的性質、寸法・形状などは JIS G 3101:2024 で規定されています。
「一般構造用圧延鋼材」という名のとおり、溶接性や特別な性能を保証する規格ではありません。溶接を伴う構造物には、炭素当量を規定した SM材(JIS G 3106)やSN材(JIS G 3136)が使われます。
出典:JIS G 3101:2024 表2・表2注a)/確認日 2026年7月30日
規格値を読むときの注意点
降伏点は上降伏点(ReH)です。表3の注a)「特に指定がない場合、降伏点は上降伏点(ReH)とする。降伏点が現出しないときは耐力(0.2%オフセット法 Rp0.2)を測定する」。
厚さ90 mmを超えると伸びの規定値が下がります。注d)「厚さ90 mm超えの鋼板の4号試験片の伸びの規定値は、厚さ25 mm又はその端数を増すごとに表の規定値から1を減じる。減じる限度は3」。厚板では表の値がそのまま効くわけではありません。
厚さ5 mm以下の曲げ試験は3号試験片を使ってもよい(注e))。
曲げ性の判定基準:曲げ試験片の外側に亀裂を生じてはならない。
出典:JIS G 3101:2024 表3注a)d)e)/確認日 2026年7月30日
この規格に共通する事項(4種類の構成・年版について)は、SS の分類ページにまとめています。
SS400の板厚(当社在庫)
SS400の鋼板は、当社では厚さ6〜150mmを常時在庫しています。JIS G 3101 は鋼板の適用寸法を「制限なし」としており(上記「適用寸法」参照)、板厚はメーカーの製造範囲と流通在庫で決まります。ご希望の板厚が在庫にない場合も、近い板厚や取り寄せでご相談いただけます。
| 区分 | 当社の対応 |
|---|---|
| 在庫板厚 | 6〜150mm(SS400 黒皮材) |
| 切断 | ガス切断・溶断。図面・DXF・寸法指定から1枚で対応 |
| 納期 | 在庫品は条件を満たせば最短当日出荷。通常のガス切断品も短納期で対応 |
在庫状況は変動します。最新の在庫・納期はお問い合わせください。
SS400の重量・重量計算
鋼材の重量計算では、密度 7.85 g/cm³ を用いるのが慣例です。鋼板の重量は次の式で求められます。
重量(kg) = 厚さ(mm) × 幅(mm) × 長さ(mm) × 7.85 ÷ 1,000,000
例:厚さ9mm × 幅500mm × 長さ600mm = 9 × 500 × 600 × 7.85 ÷ 1,000,000 = 約21.2kg
切板の寸法を入れるだけで計算できる鋼材の重量計算ツールもご利用ください。ガス切断品は切断代・黒皮の状態により実重量が計算値と前後します。
SS400の主な用途
SS400は、規格上は形状(鋼板・鋼帯・形鋼・棒鋼)を問わず使える汎用の構造用鋼です。当社で切断しているSS400厚板は、主に次の用途でご注文いただいています。
- 機械・設備のベースプレート、架台・フレームの部材
- 製缶(溶接組立)用の切板
- 治具・ストッパー・カウンターウェイト(重り)
- 建築・土木の金物、補強プレート
SS400の加工と溶接で知っておきたいこと
SS400は炭素量が低めの軟鋼で、ガス切断・溶接・曲げ・切削のいずれにも対応しやすい材料です。一方で、JIS G 3101 が規定する化学成分は P・S のみで、C・Si・Mn の上限は規定されていません(上記「化学成分」参照)。このため、溶接部の品質を規格で担保したい構造物では、化学成分と衝撃値が規定されたSM400(溶接構造用圧延鋼材・JIS G 3106)や、建築構造用のSN400(JIS G 3136)が指定されることがあります。SS400は焼入れによる硬化を前提とした鋼ではないため、硬さや耐摩耗性が必要な部品には機械構造用炭素鋼のS45C(JIS G 4051)などを選定します。
| 鋼種 | 規格 | 位置づけ | SS400との主な違い |
|---|---|---|---|
| SS400 | JIS G 3101 | 一般構造用 | —(規定は P・S と機械的性質のみ) |
| SM400 | JIS G 3106 | 溶接構造用 | C・Si・Mn が規定され、B・C種は衝撃試験も規定。溶接品質を重視する構造物向け |
| SN400 | JIS G 3136 | 建築構造用 | 建築物の耐震性を考慮し、B・C種では降伏点の上限や降伏比などが規定される |
| S45C | JIS G 4051 | 機械構造用炭素鋼 | 炭素量が規定された鋼で、焼入れ・焼戻しによる強度調整が可能。軸・ギヤなどの機械部品向け |
各規格の数値は当社の鋼材図鑑の該当ページ(JIS原典確認済み)をご参照ください。
SS400についてよくある質問
- Q. SS400の「400」は何を表しますか?
- A. 引張強さの下限値 400 N/mm² です(規格値は 400〜510 N/mm²)。
- Q. 黒皮とは何ですか?
- A. 熱間圧延時にできる酸化皮膜(ミルスケール)です。当社のSS400厚板は黒皮のままの状態で、細かな傷や色ムラがあります。塗装・溶接の前処理としてショットブラストや研削で除去することがあります。
- Q. 1枚だけ、寸法指定で注文できますか?
- A. できます。図面・DXF・寸法の指定から1枚単位でガス切断し、お見積りします。
- Q. 厚板でも溶接できますか?
- A. SS400は一般に溶接しやすい鋼ですが、板厚が厚くなるほど溶接部の冷却が速くなり割れの原因になり得ます。溶接条件は施工要領に従ってください。溶接品質を規格で担保する必要がある場合はSM400などの指定をご検討ください。
同じ分類の鋼種
当社の対応
SS400の厚板ガス切断・溶断は、当社の主力業務です。自社設備で加工しているため、切板・溶断品のご相談は直接お受けできます。
図面またはDXFをお送りいただければ、板厚・数量に応じてお見積りします。製缶用の切板、ベースプレート、架台部材など、単品から対応します。
最終更新日:2026年8月17日
