SUS301|オーステナイト系ステンレス鋼
ステンレス鋼/JIS G 4303:2021・G 4304:2021・G 4305:2021
原典確認済み 規格値は、日本産業標準調査会(JISC)の規格票閲覧サービスで原典を確認して記載しています(確認日:2026年8月5日)。
SUS301 の収載状況
| 棒(JIS G 4303:2021) | ○ 収載あり |
|---|---|
| 熱延板・帯(JIS G 4304:2021) | ○ 収載あり |
| 冷延板・帯(JIS G 4305:2021) | ○ 収載あり |
出典:JIS G 4303:2021 表1/JIS G 4304:2021 表1/JIS G 4305:2021 表1
化学成分(規格値)
| C | Si | Mn | P | S | Ni | Cr | Mo | Cu | N |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 0.15以下 | 1.00以下 | 2.00以下 | 0.045以下 | 0.030以下 | 6.00〜8.00 | 16.00〜18.00 | — | — | — |
出典:JIS G 4305:2021 表3(冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯)/確認日 2026年8月5日。溶鋼分析値、単位は%。「—」は規定がないことを示します。
機械的性質|熱延板・帯(JIS G 4304)
| 耐力 Rp0.2 | 205以上 N/mm² |
|---|---|
| 引張強さ Rm | 520以上 N/mm² |
| 伸び A | 40以上 % |
| 硬さ HBW | 207以下 |
| 硬さ HRBW又はHRBS | 95以下 |
| 硬さ HV | 218以下 |
出典:JIS G 4304:2021 6.2〜6.5/確認日 2026年8月3日。熱処理を行った板及び帯の値です。1 N/mm²=1 MPa。
機械的性質|冷延板・帯(JIS G 4305)
| 耐力 Rp0.2 N/mm² | 引張強さ Rm N/mm² | 伸び A % | HBW | HRBW/HRBS | HV |
|---|---|---|---|---|---|
| 205以上 | 520以上 | 40以上 | 207以下 | 95以下 | 218以下 |
出典:JIS G 4305:2021 表8/確認日 2026年8月5日。1 N/mm²=1 MPa。
棒(JIS G 4303:2021 表3)の化学成分は、上表(冷延板)と同一です。形状によって適用するJISが変わります(棒=JIS G 4303、熱延板・帯=JIS G 4304、冷延板・帯=JIS G 4305)。本ページの化学成分は「出典」に示した規格の表の値です。ほかの形状の規格値との一致は原典照合が済んでいないため、形状を指定してお問い合わせください。
出典:JIS G 4303:2021 表3/確認日 2026年8月5日
機械的性質|棒(JIS G 4303)
固溶化熱処理を行った棒の機械的性質です(6.2)。供試材は JIS G 0404 の 7.6 の A類による。ただし、耐力は、注文者の指定がある場合に適用する。
| 耐力 N/mm² | 引張強さ N/mm² | 伸び % | 絞り % | HBW | HRBW/HRBS | HV |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 205以上 | 520以上 | 40以上 | 60以上 | 207以下 | 95以下 | 218以下 |
適用寸法(径、対辺距離又は厚さ):180 mm以下
注a) 絞りは、平鋼には適用しない。ただし、注文者の指定がある場合、絞りの規定値は、受渡当事者間の協定による。
注b) 硬さは、いずれかの硬さによる。いずれの硬さを適用するかは、特に指定のない場合、製造業者の選択による。
注c) HRBW 又は HRBS の測定は、いずれによってもよい。ただし、疑義が生じた場合の判断は、HRBW による。測定値の報告には、採用した測定方法(HRBW 又は HRBS)を明記する。
出典:JIS G 4303:2021 表8/確認日 2026年8月5日。1 N/mm²=1 MPa。
棒には「絞り」の規定があります。板・帯の規格(G4304・G4305)にはない項目で、断面がどれだけ縮むかを示す延性の指標です。ただし注a) に「絞りは、平鋼には適用しない。ただし、注文者の指定がある場合、絞りの規定値は、受渡当事者間の協定による」とあります。丸鋼・角鋼・六角鋼には適用され、平鋼には適用されません。
適用寸法にも上限があります。オーステナイト系は径180 mm以下、それ以外の分類は75 mm以下。これを超える場合は「機械的性質の規定の要否、その規定値及び供試材の種類は、受渡当事者間の協定による」(6.1 a))となります。太物では規格値が自動的には効きません。
出典:JIS G 4303:2021 6.1 a)・表8〜表13 注a)/確認日 2026年8月5日
調質圧延材の機械的性質(表9)
JIS G 4305:2021 6.2 b) に「硬化させるための調質圧延を行った SUS301 及び SUS301L の板及び帯の耐力、引張強さ及び伸びは、表9による。ただし、耐力は、特に注文者の指定がある場合に適用する」と規定されています。上の表(固溶化熱処理状態)とは別の値です。
| 調質の記号 | 耐力 Rp0.2 N/mm² | 引張強さ Rm N/mm² | 伸び A(%) | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 厚さ0.30 mm以上 0.40 mm未満 | 厚さ0.40 mm以上 0.80 mm未満 | 厚さ0.80 mm以上 | |||
| 1/4H | 510以上 | 860以上 | 25以上 | ||
| 1/2H | 755以上 | 1 030以上 | 9以上 | 10以上 | 10以上 |
| 3/4H | 930以上 | 1 210以上 | 3以上 | 5以上 | 7以上 |
| H | 960以上 | 1 270以上 | 3以上 | 4以上 | 5以上 |
出典:JIS G 4305:2021 6.2 b)・表9/確認日 2026年8月5日。厚さ0.30 mm以上に適用する。1 N/mm²=1 MPa。
調質度が上がるほど強くなり、伸びなくなります。SUS301 は 1/4H で耐力510以上・引張強さ860以上、H では耐力960以上・引張強さ1 270以上。そのぶん伸びは 25以上 から 5以上(厚さ0.80 mm以上)まで落ちます。ばね性が要る用途で使い分けます。
SUS301 と SUS301L の差は大きいです。同じ H でも SUS301 が耐力960以上・引張1 270以上なのに対し、SUS301L は 685以上・930以上。ただし伸びは SUS301L のほうが大きく(20% 対 3〜5%)、低炭素で溶接性にも有利です。
出典:JIS G 4305:2021 表9
この規格に共通する事項(この鋼種はどの規格で買えるか・熱処理の状態を表す記号(表2)・冷延板・帯を注文するときの注意点)は、SUS_A の分類ページにまとめています。
SUS301 の磁性(参考)
磁性は JIS の規格値ではありません。本ページに掲載した規格値(化学成分・機械的性質)とは異なり、以下は金属組織に由来する一般的な性質の説明です。
SUS301 は、JIS でオーステナイト系ステンレス鋼に区分されています。オーステナイト系は面心立方(fcc)の組織をもち、固溶化熱処理をした状態では磁石にほとんど付きません。
ただし、曲げ・絞り・切削などの冷間加工を受けた部分では加工誘起マルテンサイトが生じ、磁性を帯びることがあります。磁石に付いたことだけを理由に「オーステナイト系ステンレスではない」と判断することはできません。
種類の区分は JIS 原典(表1)で確認した事実です。磁性についての記述は JIS の規格値ではなく、参考情報です。
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当社の対応
当社が自社設備で加工しているのは SS400(一般構造用圧延鋼材)の厚板ガス切断・溶断です。SUS301 については、協力会社への手配を含めてお見積りを承ります。形状(棒・熱延板・冷延板)と寸法・数量をお知らせください。形状によって適用規格が変わります。
最終更新日:2026年8月17日
