建築構造用圧延鋼材
建築構造用/JIS G 3136:2022/5鋼種を収録
原典確認済み 規格番号・鋼種一覧は、日本産業標準調査会(JISC)の規格票閲覧サービスで原典を確認しています(確認日:2026年8月5日)。
建築の柱・梁に使うことを前提に、1994年に制定された規格です。SS材・SM材にはない「降伏点の上限」「降伏比の上限」「板厚方向特性」が規定されています。
押さえておきたい点
末尾のA・B・Cは強度のランクではなく、使う場所の区分です。A種=溶接を前提としない部位、B種=溶接する一般部位、C種=板厚方向に引張力がかかる部位。シャルピーはB種もC種も0℃・27J以上で同じで、C種だけにあるのは板厚方向の絞りと超音波探傷です。SM材のC種が靭性で差をつけるのとは考え方が違います。適用厚さは6〜100 mm、C種のみ16 mm以上。5鋼種すべてこの鋼材図鑑に収録されており、欠落はありません。
SN材にあって SS400・SM材にないもの
| 降伏点の上限 | SN400B 16超40以下で 235〜355 のように上限つき |
|---|---|
| 降伏比の上限 | 80%以下(H形鋼・CT形鋼のt1≦9 mmは85%) |
| 板厚方向特性 | C種のみ。絞り 平均25%以上・個々15%以上 |
| 超音波探傷 | C種は16 mm以上で必須。B種は13 mm以上で協定により適用(記号末尾に -UT) |
狙った場所で先に降伏してほしい、という設計思想がそのまま規格値になっています。
出典:JIS G 3136:2022 表7・表9・箇条9/確認日 2026年8月3日
建築構造用圧延鋼材 の鋼種一覧
| 鋼種 | 分類・規格 | 特徴 |
|---|---|---|
| SN400A | JIS G 3136:2022/A種 | 溶接非前提。Si・Mnの規定なし、シャルピー規定なし |
| SN400B | JIS G 3136:2022/B種 | 溶接前提の一般部位。降伏点上限・降伏比80%以下 |
| SN400C | JIS G 3136:2022/C種 | 板厚方向特性+超音波探傷。16 mm以上 |
| SN490B | JIS G 3136:2022/B種 | 490級。PCMの上限あり |
| SN490C | JIS G 3136:2022/C種 | 490級のC種。板厚方向特性+超音波探傷 |
この規格に共通する事項
この分類の各鋼種ページに共通する規定の解説です。
A種・B種・C種は「使う場所」で分かれます
SN材の末尾 A・B・C は強度のランクではありません。溶接するか、板厚方向に力がかかるかで分かれます。
| A種 | 溶接を前提としない部位向け。SN400Aのみ。Si・Mnの規定がなく、P・Sも0.050%以下と緩い。シャルピー衝撃値の規定もありません |
|---|---|
| B種 | 溶接を前提とする一般部位。P 0.030%以下・S 0.015%以下。シャルピー 0℃で27J以上 |
| C種 | 板厚方向に引張力がかかる部位(ダイアフラムなど)。P 0.020%以下・S 0.008%以下。厚さ方向特性と超音波探傷が加わります |
C種の本質はシャルピーではありません。シャルピーはB種もC種も同じ0℃・27J以上です。C種だけにあるのは厚さ方向の絞り(表9)と超音波探傷(箇条9)です。SM材のC種が靭性(47J)で差をつけるのとは、考え方が違います。
出典:JIS G 3136:2022 表2・表8・表9・箇条9/確認日 2026年8月3日
「-UT」という記号の意味
箇条9 b) に、SN400B及びSN490Bの厚さ13 mm以上の鋼板及び平鋼は、受渡当事者間の協定によって超音波探傷試験を適用してもよく、その場合は種類の記号の末尾に「-UT」を付記すると規定されています。
「SN490B-UT」という表記を見かけたら、それは別の鋼種ではなくSN490Bに超音波探傷試験を付けたものです。
C種は協定ではなく規格として、厚さ16 mm以上の鋼板及び平鋼に超音波探傷試験を行い、表10によると定められています(箇条9 a))。
出典:JIS G 3136:2022 箇条9 a) b)/確認日 2026年8月3日
適用厚さは6〜100 mm。C種は16 mm以上
SN材の適用厚さは 6 mm以上100 mm以下で、C種だけは16 mm以上です。板厚方向の絞り試験を行う都合上、薄板の設定がありません。
SM材(JIS G 3106)が200 mmまであるのに対し、SN材は100 mmで打ち止めです。建築の柱・梁で使う板厚帯に合わせた規格、という位置づけになります。
当社の厚板ガス切断で扱う板厚帯とは、6〜100 mmの範囲で重なります。
出典:JIS G 3136:2022 表2・表7/確認日 2026年8月3日
規格の基本情報
JIS G 3136 は制定1994年6月1日、最新改正2022年3月22日、最新確認2026年6月22日、全18ページです。
1995年の阪神・淡路大震災の前年に制定された、建築構造用に特化した規格です。
出典:JISC規格詳細画面/確認日 2026年8月3日
