球状黒鉛鋳鉄品
鋳鉄品/JIS G 5502:2024/17鋼種を収録
原典確認済み 規格番号・鋼種一覧は、日本産業標準調査会(JISC)の規格票閲覧サービスで原典を確認しています(確認日:2026年8月5日)。
黒鉛を球状にすることで、ねずみ鋳鉄(FC)にはない伸びを持たせた鋳鉄です。記号は「FCD 引張強さ-伸び」の形で、数字が2つ並びます。
押さえておきたい点
FCDには化学成分と硬さの規格値がありません。7.4・7.5 でどちらも「受渡当事者間の協定による」と規定されています。引張強さと硬さの両方を表で規定している FC(JIS G 5501)とは、規格の作りが違います。また引張特性・衝撃特性は t≦30/30<t≦60/60<t≦200 の3つの肉厚区分で値が変わります。規格上の表記は「FCD 350-22」とスペース入りです。
全17種類を収録しました
JIS G 5502:2024 に規定された種類の記号は、SGI(球状黒鉛鋳鉄)14種類と SSSGI(ソリッドソリューション強化フェライト系球状黒鉛鋳鉄)3種類の全17種類です。これまで7種類しか収録していませんでしたが、JIS原典を確認したうえで残る10種類(FCD 350-22L・FCD 350-22R・FCD 400-18L・FCD 400-18R・FCD 400-18・FCD 550-5・FCD 900-2・FCD 450-18・FCD 500-14・FCD 600-10)を追加し、SSSGI区分も含めて全17種類がそろいました。
出典:JIS G 5502:2024/確認日 2026年8月5日
球状黒鉛鋳鉄品 の鋼種一覧
| 鋼種 | 分類・規格 | 特徴 |
|---|---|---|
| FCD350-22 | JIS G 5502:2024 表1/SGI | 引張強さ 350 N/mm²級・伸び 22 %級 |
| FCD400-15 | JIS G 5502:2024 表1/SGI | 引張強さ 400 N/mm²級・伸び 15 %級 |
| FCD450-10 | JIS G 5502:2024 表1/SGI | 引張強さ 450 N/mm²級・伸び 10 %級 |
| FCD500-7 | JIS G 5502:2024 表1/SGI | 引張強さ 500 N/mm²級・伸び 7 %級 |
| FCD600-3 | JIS G 5502:2024 表1/SGI | 引張強さ 600 N/mm²級・伸び 3 %級 |
| FCD700-2 | JIS G 5502:2024 表1/SGI | 引張強さ 700 N/mm²級・伸び 2 %級 |
| FCD800-2FCD350-22LFCD350-22RFCD400-18FCD400-18LFCD400-18RFCD550-5FCD900-2FCD450-18FCD500-14FCD600-10 | JIS G 5502:2024 表1/SGI | 引張強さ 800 N/mm²級・伸び 2 %級 |
この規格に共通する事項
この分類の各鋼種ページに共通する規定の解説です。
記号末尾の /S・/U・/C は試験片の採り方です
表1に次のとおり規定されています。
| /S | 別鋳込み試験片の場合 |
|---|---|
| /U | 共込め試験片又は本体付き試験片の場合 |
| /C | 切出し試験片の場合 |
「FCD 450-10/S」という表記は別の鋼種ではなく、どこから採った試験片で規格値を満たしているかを示しています。
出典:JIS G 5502:2024 表1/確認日 2026年8月5日。
末尾の L・R は衝撃特性の評価温度です
表1の注a)「末尾に “L” を付記した種類の記号は、低温での衝撃特性を評価するためのものである」、注b)「末尾に “R” を付記した種類の記号は、室温での衝撃特性を評価するためのものである」。
表4(Vノッチ吸収エネルギー値)を見ると、この違いがはっきり出ます。
| 記号 | 対象肉厚 | 室温(23±5)℃ 3個の平均値/個々 | 低温(−20±2)℃ 3個の平均値/個々 | 低温(−40±2)℃ 3個の平均値/個々 |
|---|---|---|---|---|
| FCD 350-22L/S・/U | t≦30 | - | - | 12以上/9以上 |
| FCD 350-22L/S・/U | 60<t≦200 | - | - | 10以上/7以上 |
| FCD 350-22R/S・/U | t≦30 | 17以上/14以上 | - | - |
| FCD 350-22R/S・/U | 60<t≦200 | 15以上/12以上 | - | - |
| FCD 400-18L/S・/U | t≦30 | - | 12以上/9以上 | - |
| FCD 400-18R/S・/U | t≦30 | 14以上/11以上 | - | - |
L は −40 ℃または −20 ℃、R は室温で評価します。衝撃試験は「注文者から指定がある場合」に行うと規定されています。
出典:JIS G 5502:2024 表1 注a) 注b)・7.3・表4/確認日 2026年8月5日。
SGI と SSSGI の2区分があります
表1は区分と種類の記号の2階建てです。
| SGI | FCD 350-22L・FCD 350-22R・FCD 350-22・FCD 400-18L・FCD 400-18R・FCD 400-18・FCD 400-15・FCD 450-10・FCD 500-7・FCD 550-5・FCD 600-3・FCD 700-2・FCD 800-2・FCD 900-2 |
|---|---|
| SSSGI | FCD 450-18・FCD 500-14・FCD 600-10 |
SSSGI は引張特性の表が別(表3)です。注記1に「ここに示す種類の記号は、一部の圧力容器に適している」とあります。
| 記号(SSSGI) | 対象肉厚 t mm | 0.2 %耐力 MPa | 引張強さ MPa | 破断伸び % |
|---|---|---|---|---|
| FCD 450-18 | t≦30 | 350以上 | 450以上 | 18以上 |
| FCD 450-18 | 30<t≦60 | 340以上 | 430以上 | 14以上 |
| FCD 500-14 | t≦30 | 400以上 | 500以上 | 14以上 |
| FCD 500-14 | 30<t≦60 | 390以上 | 480以上 | 12以上 |
| FCD 600-10 | t≦30 | 470以上 | 600以上 | 10以上 |
| FCD 600-10 | 30<t≦60 | 450以上 | 580以上 | 8以上 |
同じ引張強さでも SSSGI のほうが耐力が高く、伸びも大きいのが特徴です(FCD 450-10 は耐力280以上・伸び10以上、FCD 450-18 は耐力350以上・伸び18以上)。
出典:JIS G 5502:2024 表1・表3/確認日 2026年8月5日。
供試材の限界を規格自身が断っています
表2の注記「鋳造試験片の引張特性値は、対象肉厚に対応した鋳鉄品の引張特性値を表している。しかし、鋳鉄品は部分ごとに肉厚が変化するため、鋳鉄品全体の特性を表しているわけではない」。
試験片で測った値がそのまま製品全体を代表するわけではない、と規格が明記しています。お見積りの際は記号だけでなく、代表的な肉厚もお知らせいただけると正確です。
出典:JIS G 5502:2024 表2 注記・表4 注記/確認日 2026年8月5日。
規格の基本情報
JIS G 5502:2024。制定1961年7月1日、最新改正2024年3月21日。
現行版は JIS G 5502:2022 に追補1(2024年3月21日)を加えたものです。追補1のまえがきに「JIS G 5502:2022は、この追補1の内容の改正がされ、JIS G 5502:2024となる」と明記されています。
出典:JIS G 5502:2024 追補1のまえがき/JISC規格詳細画面/確認日 2026年8月5日。
記号末尾の /S・/U・/C は試験片の採り方です
| /S | 別鋳込み試験片の場合 |
|---|---|
| /U | 共込め試験片又は本体付き試験片の場合 |
| /C | 切出し試験片の場合 |
別の鋼種ではなく、どこから採った試験片で規格値を満たしているかを示す記号です。
出典:JIS G 5502:2024 表1/確認日 2026年8月5日。
末尾の L・R は衝撃特性の評価温度です
表1の注a)「末尾に “L” を付記した種類の記号は、低温での衝撃特性を評価するためのものである」。注b)「末尾に “R” を付記した種類の記号は、室温での衝撃特性を評価するためのものである」。
衝撃試験は「注文者から指定がある場合」に行うと規定されています。
出典:JIS G 5502:2024 表1 注a) 注b)・7.3/確認日 2026年8月5日。
規格の基本情報
JIS G 5502:2024。制定1961年7月1日、最新改正2024年3月21日。
現行版は JIS G 5502:2022 に追補1(2024年3月21日)を加えたものです。
出典:JIS G 5502:2024 追補1のまえがき/JISC規格詳細画面/確認日 2026年8月5日。
