SPA-H|高耐候性圧延鋼材
熱間圧延鋼板・鋼帯及び形鋼/JIS G 3125:2021
原典確認済み 規格値は、日本産業標準調査会(JISC)の規格票閲覧サービスで原典を確認して記載しています(確認日:2026年8月4日)。
SPA-H とは
SPA-H は JIS G 3125:2021(高耐候性圧延鋼材)に規定された鋼材です。同規格には 2種類(SPA-H・SPA-C)が規定されています。
英文の規格名称は Superior atmospheric corrosion resisting rolled steels(優れた大気腐食抵抗性をもつ圧延鋼材)で、記号の A は Atmospheric(大気)に由来します。末尾の H は 熱間圧延(hot) を表します。
出典:JIS G 3125:2021 規格名称・表1
区分と適用厚さ
| 種類の記号 | 区分 | 適用厚さ mm |
|---|---|---|
| SPA-H | 熱間圧延鋼板、鋼帯及び形鋼 | 16 以下 |
| SPA-C | 冷間圧延鋼板及び鋼帯 | 0.6 以上 2.3 以下 |
出典:JIS G 3125:2021 表1/確認日 2026年8月5日。
高耐候性圧延鋼材には厚板がありません。SPA-H でも適用厚さは 16mm 以下、SPA-C は 2.3mm 以下です。
出典:JIS G 3125:2021 表1
化学成分(規格値)
| C | Si | Mn | P | S | Cu | Cr | Ni |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 0.12以下 | 0.20〜0.75 | 0.60以下 | 0.070〜0.150 | 0.035以下 | 0.25〜0.55 | 0.30〜1.25 | 0.65以下 |
出典:JIS G 3125:2021 表2/確認日 2026年8月5日。上表は溶鋼分析値です。単位は%。
SPA はリンを 0.070〜0.150% 意図的に添加します。
ふつうの鋼材ではリン(P)は不純物として 0.030〜0.045% 以下に抑えられます。ところが SPA は下限 0.070% を設けて積極的に含有させます。
このリンが、銅(Cu 0.25〜0.55%)・クロム(Cr 0.30〜1.25%)とともに緻密なさび層をつくり、大気中での腐食の進行を抑えます。これが「高耐候性」の実体です。
「Pの数値が高いから粗悪」ではなく、この鋼種では規格がそう定めている、という点に注意が必要です。
出典:JIS G 3125:2021 表2
SPA-H と SPA-C は化学成分が完全に同一です。JIS G 3125:2021 表2 では、両者が1行にまとめて規定されています。
両者を分けているのは、製造方法(熱間圧延か冷間圧延か)・適用厚さ・機械的性質だけです。
| SPA-H | SPA-C | |
|---|---|---|
| 区分 | 熱間圧延鋼板、鋼帯及び形鋼 | 冷間圧延鋼板及び鋼帯 |
| 適用厚さ | 16mm 以下 | 0.6mm 以上 2.3mm 以下 |
| 降伏点又は耐力 | 355 N/mm² 以上 | 315 N/mm² 以上 |
| 引張強さ | 490 N/mm² 以上 | 450 N/mm² 以上 |
出典:JIS G 3125:2021 表1・表2・表3
注a)Mn の緩和:受渡当事者間の協定によって、Mn を 1.0% 以下としてもよい(規格値 0.60% 以下より緩められます)。
表2の但し書き:必要に応じて、この表に記載していない合金元素を添加してもよい。
出典:JIS G 3125:2021 表2・注a)
機械的性質(規格値)
| 区分 | 降伏点又は耐力 N/mm² | 引張強さ N/mm² | 伸び % | 試験片 |
|---|---|---|---|---|
| 厚さ 6.0mm 以下の鋼板及び鋼帯 | 355以上 | 490以上 | 22以上 | 5号 |
| 厚さ 6.0mm を超える鋼板及び鋼帯/形鋼 | 355以上 | 490以上 | 15以上 | 1A号 |
出典:JIS G 3125:2021 表3/確認日 2026年8月5日。1 N/mm²=1 MPa。
注a)SPA-H の厚さ 3mm 未満の鋼板及び鋼帯は、受渡当事者間の協定によって引張強さを 510 N/mm² 以上としてもよい。
出典:JIS G 3125:2021 表3 注a)
曲げ性:鋼材の曲げ性は、表4 の曲げ試験条件によって試験を行い、試験片の外側にき裂を生じてはならないとされています。
出典:JIS G 3125:2021 6.2
耐候性鋼の姉妹規格
| SPA | JIS G 3125:2021 高耐候性圧延鋼材(2種類・厚さ16mm以下) |
|---|---|
| SMA | JIS G 3114:2022 溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材 |
SPA が薄板・形鋼中心なのに対し、SMA は溶接構造用で板厚範囲が広いという住み分けです。
出典:日本産業標準調査会 規格詳細画面(2026年8月5日確認)
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当社の対応
当社が自社設備で加工しているのは SS400(一般構造用圧延鋼材)の厚板ガス切断・溶断です。SPA-H については、協力会社への手配を含めてお見積りを承ります。形状・寸法・数量・熱処理の要否をお知らせいただければ、調達可否とあわせてご回答します。
最終更新日:2026年8月17日
