FCMB|黒心可鍛鋳鉄品
鋳鉄・鋳鋼/JIS G 5705:2018
原典確認済み 規格値は、日本産業標準調査会(JISC)の規格票閲覧サービスで原典を確認して記載しています(確認日:2026年8月5日)。
FCMB とは
FCMB は JIS G 5705:2018(可鍛鋳鉄品)の黒心可鍛鋳鉄品で、6種あります。
黒心可鍛鋳鉄品は、白せん組織の鋳物を黒鉛化焼なましして、塊状黒鉛(焼戻炭素)を析出させたものです。試験片は「12又は15 mm」の1本立てで、白心のような直径別の規格値はありません。
機械的性質(規格値)
| 種類の記号 | 試験片の直径 mm | 引張強さ Rm N/mm² | 伸び A3.4 % | 0.2%耐力 Rp0.2 N/mm² | ブリネル硬さ (参考値)HBW |
|---|---|---|---|---|---|
| FCMB275-5 | 12又は15 | 275以上 | 5以上 | 165以上 | 150以下 |
| FCMB300-6 | 12又は15 | 300以上 | 6以上 | — | 150以下 |
| FCMB310-8 | 12又は15 | 310以上 | 8以上 | 185以上 | 163以下 |
| FCMB340-10 | 12又は15 | 340以上 | 10以上 | 205以上 | 163以下 |
| FCMB350-10 | 12又は15 | 350以上 | 10以上 | 200以上 | 150以下 |
| FCMB350-10S | 12又は15 | 350以上 | 10以上 | 200以上 | 150以下 |
出典:JIS G 5705:2018 表3/確認日 2026年8月5日。1 N/mm²=1 MPa。
FCMB350-10S だけ衝撃値の規定があります。12.3によって試験を行い、シャルピー吸収エネルギーは3個の平均値が15 J以上、かつ、個々の値が13 J以上でなければなりません。可鍛鋳鉄23種類のうち、衝撃値が規定されているのはこの1種類だけです。
また、表3の機械的性質は、受渡当事者間の協定によって引張試験片の直径が6 mm又は9 mmで試験を行った場合にも適用します。
出典:JIS G 5705:2018 表3注b)・表3欄外
化学成分は規定されていません
JIS G 5705 には、化学成分の規格値がありません。箇条5(製造)には次のとおり規定されています。
可鍛鋳鉄品の製造方法、化学成分及び熱処理方法は、製造業者の自由選択とするが、注文書に指定される可鍛鋳鉄品の種類について、この規格の要求事項に適合することを保証しなければならない。
つまり、成分や熱処理の中身は問わず、機械的性質という結果だけを保証させるという構成です。ただし、可鍛鋳鉄品を特殊用途に用いる場合は、化学成分及び熱処理方法を注文時に受渡当事者間で協定してもよいとされています。
他サイトで「可鍛鋳鉄の化学成分」としてC・Si・Mnの値が載っていることがありますが、それはJIS規格値ではありません。メーカーの実力値か、参考値です。
出典:JIS G 5705:2018 箇条5/確認日 2026年8月5日
この規格に共通する事項(可鍛鋳鉄品 23種類の全体像・用語と試験の注意点)は、FCM の分類ページにまとめています。
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最終更新日:2026年8月17日
