SGP|配管用炭素鋼鋼管(ガス管)
鋼管/JIS G 3452:2026
原典確認済み 規格値は、日本産業標準調査会(JISC)の規格票閲覧サービスで原典を確認して記載しています(確認日:2026年8月5日)。
SGP とは
SGP は JIS G 3452:2026(配管用炭素鋼鋼管)に規定された鋼種です。箇条4に「管は、1種類とし、その種類の記号、製造方法を表す記号及び亜鉛めっきの区分は、表1による」と規定されています。
この規格の鋼種は SGP ただ1種類です。この鋼材図鑑の収録と完全に一致します。欠落はありません。
出典:JIS G 3452:2026 箇条4・表1/JISC規格詳細画面/確認日 2026年8月5日
化学成分(規格値)
| 種類の記号 | P | S |
|---|---|---|
| SGP | 0.040以下 | 0.040以下 |
SGP の化学成分は、りんと硫黄の2元素しか規定されていません。炭素・けい素・マンガンの規定はありません。
箇条7に「管は、13.1によって試験を行い、その溶鋼分析値は、表2による。ただし、必要に応じて表2に規定のない合金元素を添加してもよい」とあります。
成分ではなく引張強さ290 N/mm²以上という結果で縛る規格です。「SGPの炭素量は◯◯%」といった数値を載せているサイトがありますが、それは規格値ではありません。
出典:JIS G 3452:2026 箇条7・表2/確認日 2026年8月5日。単位は%。
機械的性質(規格値)
引張強さ
| 種類の記号 | 引張強さ N/mm² |
|---|---|
| SGP | 290以上 |
伸び(表3)/単位 %
| 引張試験片 | 試験方向 | 厚さ 3超4以下 | 4超5以下 | 5超6以下 | 6超7以下 | 7超8未満 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 11号試験片 | 管軸方向 | 30以上 | 30以上 | 30以上 | 30以上 | 30以上 |
| 12号試験片 | 管軸方向 | 24以上 | 26以上 | 27以上 | 28以上 | 30以上 |
| 5号試験片 | 管軸直角方向 | 19以上 | 20以上 | 22以上 | 24以上 | 25以上 |
伸びは試験片と試験方向で規格値が変わります。同じ管でも管軸方向(11号・12号)と管軸直角方向(5号)では、要求される伸びが10ポイント以上違います。ミルシートの伸びの値を見るときは、どの試験片で測ったかもあわせて確認する必要があります。
注a) に「表4の呼び径32A以下の管については、この表の伸びの規定を適用しない。ただし、試験の結果は、記録する。また、受渡当事者間の協定によって、伸びを規定してもよい」と定められています。細い管には伸びの規格値がありません。
注記:1 N/mm² = 1 MPa
出典:JIS G 3452:2026 8.1・表3・注a)/確認日 2026年8月5日
へん平性と曲げ性(規格値)
| へん平性(8.2) | 平板間の距離 H を管の外径の2/3にへん平にしたとき、試験片に割れを生じてはならない |
|---|---|
| 曲げ性(8.3) | 外径の6倍の内側半径で90°に曲げたとき、試験片に割れを生じてはならない |
曲げ性は誰にでも適用されるものではありません。「注文者が表4の呼び径50A以下の管に対して、へん平性に代えて指定した場合に適用する」と規定されています。曲げ角度は曲げ開始位置からの角度です。
出典:JIS G 3452:2026 8.2・8.3/確認日 2026年8月5日
黒管と白管、そして「-ZN」の意味
表1の亜鉛めっきの区分です。
| 黒管 | 亜鉛めっきを行わない管 |
|---|---|
| 白管 | 亜鉛めっきを行った管 |
注a) に「図面、帳票などで、記号によって白管を黒管と区分する必要がある場合は、白管の種類の記号の後に -ZN を付記する。ただし、製品の表示には適用しない」と規定されています。
「SGP-ZN」は図面・帳票のうえでの表記であって、製品への刻印には使いません。現物に -ZN が入っていないからといって黒管とは限らない、ということになります。
出典:JIS G 3452:2026 表1・注a)/確認日 2026年8月5日
製造方法を表す記号
| 製管方法 | |
|---|---|
| E | 電気抵抗溶接 |
| B | 鍛接 |
| 仕上げ方法 | |
| H | 熱間仕上げ |
| C | 冷間仕上げ |
| 表示 | |
| G | 電気抵抗溶接まま |
SGP には「鍛接(B)」があります。一般構造用炭素鋼鋼管(JIS G 3444)の製管方法が継目無し(S)と電気抵抗溶接(E)なのに対し、SGP は鍛接を規定に持っている点が違います。
箇条5 b) には「熱間仕上げ及び電気抵抗溶接ままの管は、通常、製造のままとし、熱処理を行わない。冷間仕上げした管は、製造後、焼なましを行う」と定められています。
出典:JIS G 3452:2026 表1・箇条5 b)/確認日 2026年8月5日
亜鉛めっきの規格値
| めっき浴の亜鉛分析値 | 97.5 %以上(質量分率) |
|---|---|
| 均一性試験(硫酸銅試験) | 浸せき回数 5回(毎回約60秒)以下で終止点に達してはならない |
| 膜厚試験(呼び径150A以上) | 膜厚 40 μm以上 |
使用する亜鉛は「JIS H 2107に規定する蒸留亜鉛地金1種又はこれと同等以上の品質をもつ亜鉛」で、製法は問わないとされています。作業中に飛散した亜鉛を回収してめっき浴に使ってもよい、とも明記されています。
呼び径150A以上の白管は、注文者の指定がない限り製造業者・加工業者の判断で膜厚試験に代えられますが、結果に疑義が生じた場合は均一性試験によると定められています。
ねじ付白管はねじを加工する前に亜鉛めっきを行います。
出典:JIS G 3452:2026 箇条6・箇条9/確認日 2026年8月5日
水圧試験か非破壊試験か、選べます
箇条10「いずれの特性によるかは、注文者の指定による。注文者の指定がない場合は、製造業者の選択とする」。
| a) 水圧試験特性 | 2.5 MPaを水圧試験下限圧力とし、これに耐え、漏れがあってはならない |
|---|---|
| b) 非破壊試験特性 | 超音波探傷試験(JIS G 0582 人工きず区分 UE)または渦電流探傷試験(JIS G 0583 人工きず区分 EZ) |
指定しなければメーカーが選びます。水圧試験の記録が必要な場合は、注文時の指定が必要です。
出典:JIS G 3452:2026 箇条10/確認日 2026年8月5日
寸法・単位質量の求め方
単位質量は 1 cm³ の鋼を 7.85 g として、次の式で計算し、JIS Z 8401 の規則Aによって有効数字3桁に丸めます。
W = 0.024 66 × t × (D − t)
W:単位質量(kg/m)/t:厚さ(mm)/D:外径(mm)
管の長さは 3 600 mm以上の指定長さ。長さの許容差はマイナス側は0、プラス側は規定しないとされています。短い側の公差がゼロ、というのが実務上のポイントです。
厚さの許容差は プラス側は規定しない/マイナス側は −12.5 % です。
表4(抜粋):呼び径6A 外径10.5 mm・厚さ2.0 mm/15A 21.7・2.8/25A 34.0・3.2/50A 60.5・3.8/100A 114.3・4.5/150A 165.2・5.0/200A 216.3・5.8
出典:JIS G 3452:2026 箇条11・式(1)・表4/確認日 2026年8月5日
管端の仕様
箇条5 c)「特に指定がない場合は、表4の呼び径300A以下の管の両端は、ねじ付又はプレンエンドとし、呼び径350A以上の管は、プレンエンドとする」。
ねじ付管は両端にJIS B 0203のテーパねじを加工し、その一端にJIS B 2301又はJIS B 2302による継手(ソケット)1個をねじ込みます。ソケットをねじ込まない一端は、ねじ保護環などで保護します。ただし注文者の指定があればソケットなしにできます。
電気抵抗溶接で製造する場合、外面及び内面の溶接ビードは特に指定がない限り管の形状に滑らかに沿うように除去されますが、内面のビードは除去が困難な場合は溶接のままとしてもよいと規定されています。
出典:JIS G 3452:2026 箇条5 c) d) e)/確認日 2026年8月5日
当社の対応
当社が自社設備で加工しているのは SS400(一般構造用圧延鋼材)の厚板ガス切断・溶断です。SGP については、協力会社への手配を含めてお見積りを承ります。呼び径・厚さ・長さ・数量と、黒管/白管の別、管端の仕様(ねじ付/プレンエンド)をお知らせください。
最終更新日:2026年8月17日
