炭素工具鋼鋼材
工具鋼/JIS G 4401:2025/11鋼種を収録
原典確認済み 規格番号・鋼種一覧は、日本産業標準調査会(JISC)の規格票閲覧サービスで原典を確認しています(確認日:2026年8月5日)。個別の鋼種ページには、原典で確認した規格値を掲載しています。
合金元素を積極的に加えず、炭素量で性格を決める工具鋼です。刃物・やすり・型など、複雑な熱処理を前提としない用途で使われます。
押さえておきたい点
JIS G 4401:2025 表2 を通しで見ると、11鋼種すべてで炭素以外の成分規定が完全に同一です(Si 0.10〜0.35/Mn 0.10〜0.50/P 0.030以下/S 0.030以下/Cr 0.30以下)。変わるのは炭素だけで、記号の数字がそのまま炭素量の目安になっています。さらに表2の本文で、不純物として Cu 0.25%以下・Ni 0.25%以下 が全鋼種に規定されています。この規格の収録11鋼種は、この鋼材図鑑の収録と完全に一致します。
工具鋼の「硬さ」は焼なまし硬さです
機械構造用鋼(G 4051・G 4053)には機械的性質の規定がありませんが、工具鋼の規格(G 4401・G 4403・G 4404)はいずれも箇条7に「硬さ」を持っています。ただし規定されているのは焼なましを行った鋼材の硬さです。
JIS G 4404:2025 の 7.1 b)「注文者の指定によって焼なまし以外の熱処理を行った鋼材の硬さは、受渡当事者間の協定による」。つまり焼入焼戻し後の硬さ(HRC◯◯)は規格値ではありません。
出典:JIS G 4404:2025 箇条7.1/確認日 2026年8月3日
炭素工具鋼鋼材 の鋼種一覧
| 鋼種 | 分類・規格 | 特徴 |
|---|---|---|
| SK140 | JIS G 4401:2025 表2 | C 1.30〜1.50 |
| SK120 | JIS G 4401:2025 表2 | C 1.15〜1.25 |
| SK105 | JIS G 4401:2025 表2 | C 1.00〜1.10 |
| SK95 | JIS G 4401:2025 表2 | C 0.90〜1.00 |
| SK90 | JIS G 4401:2025 表2 | C 0.85〜0.95 |
| SK85 | JIS G 4401:2025 表2 | C 0.80〜0.90 |
| SK80 | JIS G 4401:2025 表2 | C 0.75〜0.85 |
| SK75 | JIS G 4401:2025 表2 | C 0.70〜0.80 |
| SK70 | JIS G 4401:2025 表2 | C 0.65〜0.75 |
| SK65 | JIS G 4401:2025 表2 | C 0.60〜0.70 |
| SK60 | JIS G 4401:2025 表2 | C 0.55〜0.65 |
この規格に共通する事項
この分類の各鋼種ページに共通する規定の解説です。
SK材は炭素量だけで11段階に分かれます
表2を通しで見ると、11鋼種すべてで炭素以外の成分規定が完全に同一です(Si 0.10〜0.35/Mn 0.10〜0.50/P 0.030以下/S 0.030以下/Cr 0.30以下)。
変わるのは炭素だけ。記号の数字がそのまま炭素量の目安になっています。
| 記号 | C % | 焼なまし温度 ℃ | 硬さ HBW |
|---|---|---|---|
| SK140 | 1.30〜1.50 | 750〜780 徐冷 | 217以下 |
| SK120 | 1.15〜1.25 | 750〜780 徐冷 | 217以下 |
| SK105 | 1.00〜1.10 | 750〜780 徐冷 | 212以下 |
| SK95 | 0.90〜1.00 | 740〜760 徐冷 | 207以下 |
| SK90 | 0.85〜0.95 | 740〜760 徐冷 | 207以下 |
| SK85 | 0.80〜0.90 | 730〜760 徐冷 | 207以下 |
| SK80 | 0.75〜0.85 | 730〜760 徐冷 | 192以下 |
| SK75 | 0.70〜0.80 | 730〜760 徐冷 | 192以下 |
| SK70 | 0.65〜0.75 | 730〜760 徐冷 | 183以下 |
| SK65 | 0.60〜0.70 | 730〜760 徐冷 | 183以下 |
| SK60 | 0.55〜0.65 | 730〜760 徐冷 | 183以下 |
出典:JIS G 4401:2025 表2・表3/確認日 2026年8月5日
合金元素を勝手に足してはいけません
表2の本文には2つの規定があります。
①「この表に記載していない合金元素は、受渡当事者間の協定がない限り、溶鋼を仕上げる目的以外に意図的に添加してはならない」
②「この表の全ての種類の鋼材は、不純物として Cu が 0.25 %、Ni が 0.25 % をそれぞれ超えてはならない」
②は成分表の行には現れませんが、銅とニッケルの上限は全鋼種に効いています。
出典:JIS G 4401:2025 表2 本文/確認日 2026年8月5日
