高温高圧用鋳鋼品
鋳鉄・鋳鋼/JIS G 5151:1991/8鋼種を収録
全8種類を収録しました
JIS G 5151:1991 に規定された種類の記号は全8種類です。これまで SCPH 1・SCPH 2・SCPH 11・SCPH 21・SCPH 32 の5種類しか収録していませんでしたが、JIS原典を確認したうえで SCPH 22・SCPH 23・SCPH 61 の3種類を追加し、全8種類がそろいました。
出典:JIS G 5151:1991/確認日 2026年8月5日
バルブ・ポンプケーシングなど高温高圧流体機器用の鋳鋼。SCPH2(炭素鋼)からSCPH32(Cr-Mo鋼)まで温度域で使い分ける。
加工・取扱いのポイント
この項目はJIS規格値ではありません。一般的な傾向、およびメーカー資料・当社の加工/調達経験にもとづく実務情報です。入手性・加工条件は時期・メーカー・数量によって異なります。
プラントバルブの弁箱はSCPH2が標準的。
高温高圧用鋳鋼品の鋼種一覧
| 鋼種 | 規格・成分の目安 参考 | 特徴 参考 |
|---|---|---|
| SCPH1 | 炭素鋼・中温用 | バルブ・ケーシング |
| SCPH11 | 0.5Mo鋳鋼 | |
| SCPH2 | 炭素鋼・引張480以上 | プラントバルブ弁箱の標準 |
| SCPH21 | 1Cr-0.5Mo鋳鋼 | 高温バルブ用 |
| SCPH32SCPH22SCPH23SCPH61 | 2.5Cr-1Mo鋳鋼 | 最高温域の鋳鋼バルブ |
この規格に共通する事項
不純物の規定表があります
高温高圧用鋳鋼品には、表3「不純物の化学成分」という独立した表があります。他の鋳鋼規格にはない構成です。
| Cu | 0.50%以下 |
|---|---|
| Ni | 0.50%以下 |
| Cr | 0.25%以下(SCPH 1・2)/0.35%以下(SCPH 11) |
| Mo | 0.25%以下(SCPH 1・2) |
| W | 0.10%以下(SCPH 11以降) |
| 合計量 | 1.00%以下 |
この表は自動適用ではありません。箇条3に「その溶鋼分析値は表2による。ただし、受渡当事者間の協定によって、不純物について表3を適用することができる」と規定されています。必要なら注文時に取り決める項目です。
出典:JIS G 5151:1991 箇条3・表3/確認日 2026年8月3日
記号の十の位はクロム量の目安
| SCPH 1・2 | Cr 無添加(炭素鋼) |
|---|---|
| SCPH 11 | Mo 系(Cr なし・Mo 0.45〜0.65) |
| SCPH 21・22・23 | Cr 1.00〜1.50 |
| SCPH 32 | Cr 2.00〜2.75 |
| SCPH 61 | Cr 4.00〜6.50 |
高温で使うほどクロム・モリブデンを増やして、クリープ強度と高温酸化への抵抗を確保する、という設計です。
出典:JIS G 5151:1991 表2/確認日 2026年8月3日
この分類の各鋼種ページに共通する規定の解説です。
8種類はクロムとモリブデンの量で並んでいます
| 記号 | 備考(表1) | 降伏点又は耐力 | 引張強さ | 伸び % | 絞り % |
|---|---|---|---|---|---|
| SCPH 1 | 炭素鋼 | 205以上 | 410以上 | 21以上 | 35以上 |
| SCPH 2 | 炭素鋼 | 245以上 | 480以上 | 19以上 | 35以上 |
| SCPH 11 | 0.5%モリブデン鋼 | 245以上 | 450以上 | 22以上 | 35以上 |
| SCPH 21 | 1%クロム0.5%モリブデン鋼 | 275以上 | 480以上 | 17以上 | 35以上 |
| SCPH 22 | 1%クロム1%モリブデン鋼 | 345以上 | 550以上 | 16以上 | 35以上 |
| SCPH 23 | 1%クロム1%モリブデン0.2%バナジウム鋼 | 345以上 | 550以上 | 13以上 | 35以上 |
| SCPH 32 | 2.5%クロム1%モリブデン鋼 | 275以上 | 480以上 | 17以上 | 35以上 |
| SCPH 61 | 5%クロム0.5%モリブデン鋼 | 410以上 | 620以上 | 17以上 | 35以上 |
SCPH 61(5%クロム)が最も強度が高く、引張強さ620以上です。クロムを増やすほど高温での使用に向きますが、SCPH 32(2.5%クロム)は480以上でSCPH 21 と同じ値になっており、単純な比例ではありません。
出典:JIS G 5151:1991 表1・表4/確認日 2026年8月5日。
規格の基本情報
JIS G 5151:1991。最新改正1991年3月1日。確認公示により現行規格として有効です。
箇条5に「注文者は、必要がある場合は、水圧試験を指定することができる」と規定されています。
出典:JIS G 5151:1991 箇条5/JISC規格詳細画面/確認日 2026年8月5日。
