石道鋼板株式会社
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合金工具鋼鋼材(SKD)

工具鋼/JIS G 4404:2025/個別ページ12件(現行JIS収載9件+現行JISに規定なし3件)

原典確認済み 規格番号・鋼種一覧は、日本産業標準調査会(JISC)の規格票閲覧サービスで原典を確認しています(確認日:2026年8月5日/2026年8月14日・8月16日に箇条4・表1を再確認)。個別の鋼種ページには、原典で確認した規格値を掲載しています。

JIS G 4404(合金工具鋼鋼材)のうち SKD で始まる記号をまとめたページです。金型用として問い合わせの多い SKD11・SKD61 を含みます。

押さえておきたい点

SKD11 と SKD61 の違いは、通説ではなく表1の用途区分そのものです。SKD11=主として冷間金型用(C 1.40〜1.60・Cr 11.00〜13.00)、SKD61=主として熱間金型用(C 0.35〜0.42・Cr 4.80〜5.50)。また熱間金型用(表4)は硫黄の上限が 0.020%以下 と、冷間金型用(0.030%以下)より厳しく定められています。りんはどちらも 0.030%以下で共通です。

SKS・SKD・SKT は同じ規格です

SKS・SKD・SKT は、いずれも JIS G 4404(合金工具鋼鋼材)に規定された記号です。別々の規格ではありません。規格の表1では、記号ではなく「用途区分」で3つに分類されています。

主として切削工具鋼用SKS2・SKS5・SKS51・SKS7・SKS81・SKS8
主として冷間金型用SKS3・SKS31・SKS93・SKS95・SKD1・SKD10・SKD11・SKD12
主として熱間金型用SKD4・SKD61・SKD62・SKD7・SKD8・SKT4

SKS は1つの分類ではありません。SKS2・SKS5・SKS51・SKS7・SKS81・SKS8 は切削工具鋼用、SKS3・SKS31・SKS93・SKS95 は冷間金型用で、規格上は2つの用途区分にまたがっています。

出典:JIS G 4404:2025 箇条4・表1/確認日 2026年8月14日。規格に規定された20種類すべてを掲載しています。

工具鋼の「硬さ」は焼なまし硬さです

機械構造用鋼(G 4051・G 4053)には機械的性質の規定がありませんが、工具鋼の規格(G 4401・G 4403・G 4404)はいずれも箇条7に「硬さ」を持っています。ただし規定されているのは焼なましを行った鋼材の硬さです。

JIS G 4404:2025 の 7.1 b)「注文者の指定によって焼なまし以外の熱処理を行った鋼材の硬さは、受渡当事者間の協定による」。つまり焼入焼戻し後の硬さ(HRC◯◯)は規格値ではありません

出典:JIS G 4404:2025 箇条7.1/確認日 2026年8月3日

合金工具鋼鋼材(SKD) の鋼種一覧

鋼種分類・規格特徴
SKD1JIS G 4404:2025 表3
主として冷間金型用
C 1.90〜2.20/Cr 11.00〜13.00/用途例:線引ダイス・プレス型・れんが型・粉末成形型など
SKD2JIS G 4404:2025現行JISに規定なし(JIS G 4404:2025 箇条4の20種類に含まれず/確認日 2026年8月16日)
SKD4JIS G 4404:2025 表4
主として熱間金型用
C 0.25〜0.35/Cr 2.00〜3.00/用途例:プレス型・ダイカスト型・押出工具・シャーブレードなど
SKD5JIS G 4404:2025現行JISに規定なし(JIS G 4404:2025 箇条4の20種類に含まれず/確認日 2026年8月16日)
SKD6JIS G 4404:2025現行JISに規定なし(JIS G 4404:2025 箇条4の20種類に含まれず/確認日 2026年8月16日)
SKD7JIS G 4404:2025 表4
主として熱間金型用
C 0.28〜0.35/Cr 2.70〜3.20/用途例:プレス型・押出工具など
SKD8JIS G 4404:2025 表4
主として熱間金型用
C 0.35〜0.45/Cr 4.00〜4.70/用途例:プレス型・ダイカスト型・押出工具など
SKD10JIS G 4404:2025 表3
主として冷間金型用
C 1.45〜1.60/Cr 11.00〜13.00/用途例:ゲージ・ねじ転造ダイス・金属刃物・ホーミングロール・プレス型など
SKD11JIS G 4404:2025 表3
主として冷間金型用
C 1.40〜1.60/Cr 11.00〜13.00/用途例:ゲージ・ねじ転造ダイス・金属刃物・ホーミングロール・プレス型など
SKD12JIS G 4404:2025 表3
主として冷間金型用
C 0.95〜1.05/Cr 4.80〜5.50/用途例:ゲージ・ねじ転造ダイス・金属刃物・ホーミングロール・プレス型など
SKD61JIS G 4404:2025 表4
主として熱間金型用
C 0.35〜0.42/Cr 4.80〜5.50/用途例:プレス型・ダイカスト型・押出工具・シャーブレードなど
SKD62JIS G 4404:2025 表4
主として熱間金型用
C 0.32〜0.40/Cr 4.75〜5.50/用途例:プレス型・押出工具など
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この規格に共通する事項

この分類の各鋼種ページに共通する規定の解説です。

合金工具鋼は「用途区分」で3つに分かれます

JIS G 4404:2025 の表1には、種類の記号とあわせて用途例が規格として書かれています。用途の説明を推測ではなく規格の記述として書ける、数少ない規格です。

主として切削工具鋼用SKS2・SKS5・SKS51・SKS7・SKS81・SKS8
主として冷間金型用SKS3・SKS31・SKS93・SKS95・SKD1・SKD10・SKD11・SKD12
主として熱間金型用SKD4・SKD61・SKD62・SKD7・SKD8・SKT4

用途区分は3つです。化学成分表も表2(切削工具鋼用)・表3(冷間金型用)・表4(熱間金型用)の3つに分かれています。

出典:JIS G 4404:2025 表1・表2・表3・表4/確認日 2026年8月5日

【注意】SKS は1つの分類ではありません

この鋼材図鑑では SKS を1つのカテゴリにまとめていますが、規格上は SKS の中に2つの用途区分が混在しています

主として切削工具鋼用SKS2・SKS5・SKS51・SKS7・SKS81・SKS8
主として冷間金型用SKS3・SKS31・SKS93・SKS95

「SKSはこういう鋼です」という一括りの説明は、規格に照らすと成立しません。SKS5 は刃物用、SKS3 は金型用で、用途区分そのものが違います。

出典:JIS G 4404:2025 表1/確認日 2026年8月5日

SKD11 と SKD61 の違いは規格上の区分です

よく比較される2鋼種ですが、違いは通説ではなく表1の用途区分そのものです。

SKD11主として冷間金型用/C 1.40〜1.60・Cr 11.00〜13.00/焼なまし硬さ 255 HBW以下
SKD61主として熱間金型用/C 0.35〜0.42・Cr 4.80〜5.50/焼なまし硬さ 229 HBW以下

炭素もクロムも大きく違います。冷間金型用は炭素とクロムを高くして硬さと耐摩耗性を、熱間金型用は炭素を落として割れにくさを取る、という設計の差が成分表に出ています。

出典:JIS G 4404:2025 表1・表3・表4・表5/確認日 2026年8月5日

熱間金型用は硫黄の上限が厳しい

表3(冷間金型用)と表4(熱間金型用)を並べると、硫黄の上限だけが違います

表2・表3の鋼種S 0.030 %以下
表4の鋼種(熱間金型用)S 0.020 %以下

りんはどちらも 0.030 %以下で共通です。硫黄だけを絞っているのは、熱間で繰り返し使われる金型で割れの起点を減らす狙いと読めます。

表2・表3・表4の本文には「この表に“-”と記載している元素及びこの表に記載していない合金元素は、溶鋼を仕上げる目的以外に、意図的に添加してはならない」と規定されています。

出典:JIS G 4404:2025 表2・表3・表4/確認日 2026年8月5日

製造方法にも規定があります

箇条5「a) 鋼材は、キルド鋼から製造する。b) 鋼材は、鍛錬成形比 4S 以上の熱間圧延又は熱間鍛造で製造する」。

鋼材寸法の関係から 4S 未満となる場合は、JIS G 0701 の 3.2(すえ込鍛錬)によってすえ込鍛錬と実体鍛錬を合併し、その比で鍛錬成形比を求めて 4S 以上としてもよい、と規定されています。

d)「鋼板及び鋼帯以外の鋼材は、熱間圧延又は熱間鍛造後に焼なましを行う」。e)「鋼板及び鋼帯は、特に指定のない限り、熱間圧延のままとする」。

出典:JIS G 4404:2025 箇条5/確認日 2026年8月5日