橋梁用高降伏点鋼板
溶接構造用鋼/JIS G 3140:2023/JIS G 3140の6種類のうち通常材3鋼種を個別ページで収録
この区分に属する3鋼種(通常材)の規格値と、共通する事項をまとめています。
橋梁向けに開発された高性能鋼。TMCP技術により高降伏点と優れた溶接性(予熱低減・省略)を両立。数字は降伏点を表す。
加工・取扱いのポイント
この項目はJIS規格値ではありません。一般的な傾向、およびメーカー資料・当社の加工/調達経験にもとづく実務情報です。入手性・加工条件は時期・メーカー・数量によって異なります。
従来のSM570と比べて予熱管理を緩和しやすいとされています(メーカー技術資料にもとづく参考情報。実際の予熱条件は板厚・溶接方法・施工基準によります)。
橋梁用高降伏点鋼板の鋼種一覧
| 鋼種 | 規格・成分の目安 参考 | 特徴 参考 |
|---|---|---|
| SBHS400 | 降伏点400 N/mm²以上 | 予熱低減型の橋梁用鋼 |
| SBHS500 | 降伏点500 N/mm²以上 | SM570代替として普及中 |
| SBHS700 | 降伏点700 N/mm²以上 | 長大橋向け最高強度クラス |
この規格に共通する事項
この分類の各鋼種ページに共通する規定の解説です。
熱処理と記号の付け方
SBHS の熱処理は「熱加工制御(TMCP)」が基本です。ただし、受渡当事者間の協定によって、焼入焼戻しなどの熱加工制御以外の熱処理を行ってもよいとされています。
熱加工制御によって製造した鋼板には、熱処理の記号は付記しません。熱加工制御以外の熱処理を行った場合は、種類の記号の末尾に次の記号を付記します。
| 焼入焼戻しを行う場合 | Q |
|---|---|
| その他の熱処理を行う場合 | 受渡当事者間の協定による記号 |
| SBHS500 | SBHS500 の鋼板を熱加工制御によって製造した場合 |
|---|---|
| SBHS700WQ | SBHS700W の鋼板を焼入焼戻しによって製造した場合 |
出典:JIS G 3140:2023 5.1・5.2
溶接性は「溶接割れ感受性組成 PCM」で評価する
JIS G 3140:2023 7.1 には「溶接性の評価指標は、溶接割れ感受性組成による」と規定されています。SM材やSGV材が炭素当量 Ceq を使うのに対し、SBHS は PCM を使う点が大きな違いです。
PCM = C + Si/30 + Mn/20 + Cu/20 + Ni/60 + Cr/20 + Mo/15 + V/10 + 5B ……式(1)
溶鋼分析値を用いて式(1)によって算出します。
| 種類の記号 | 厚さ mm | PCM % |
|---|---|---|
| SBHS400/SBHS400W | 6以上100以下 | 0.22 以下 |
| SBHS500/SBHS500W | 6以上100以下 | 0.20 以下 |
| SBHS700 | 6以上50以下 | 0.30 以下 |
| SBHS700W | 50超え75以下 | 0.32 以下 |
出典:JIS G 3140:2023 7.1・7.2・式(1)・表3
